Q 相続人に相続財産を与えないとする内容の遺言がある場合,その相続人は,相続財産をまったく取得することができないのですか?

A 遺言が無効である場合,その無効を主張することもできます。ただ,遺言が有効である場合でも,被相続人の一定の近親者には,留保された相続財産の一定の割合があり,これは被相続人の生前処分又は死因処分によって奪うことはできません。これを遺留分(いりゅうぶん)といいます(民法1028条以下)。
  そして,この遺留分を侵害する行為があった場合,相続人は,その遺留分を保全する限度まで遺贈又は贈与の効力を消滅させること(遺留分減殺(げんさい)請求)ができます(同法1032条)。

  なお,遺留分減殺請求権は,(1)遺留分権利者が相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から1年,又は(2)相続開始の時から10年間行使しないときは時効で消滅するとされていますので,ご注意ください(同法1042条)。

Q 遺留分は,どうやって計算するのですか?

A 個別的遺留分の算定方法は,次のとおりです。

 算定の基礎となる財産
  (1) 相続開始時に存在した財産(民法1029条1項)
 

(2)

相続開始前1年間になされた贈与(同法1030条前段)
  (3) 当事者双方悪意の1年以前の贈与(同法1030条後段)
  (4) 当事者双方悪意の不相当対価の有償行為(同法1039条)
  (5) 特別受益(同法1044条・903条)

        

    算定方法
    (上記(1)から(5)の合計額−債務)×遺留分率=遺留分額