Q 共同相続人間で遺産をどのように分割するかの話合いができました。その場合,書類作成の必要はありますか。

A 相続が開始すると,相続人は,被相続人の財産に属した一切の権利義務を包括的に承継します(民法896条)。
   しかし,相続人が複数の場合は,相続財産は,共同相続人の共有となります(同法898条)。  この相続財産の共有状態は,暫定的な権利状態であり,これを誰が(相続人の範囲),何を(相続財産の範囲),どのような割合で(相続分,特別受益,寄与分),どのように取得するか(分割方法)を具体的に決めるための話合いのことを遺産分割協議(同法907条)といいます。


  遺産分割は,相続人全員の共有財産を分割するわけですから,遺言による指定相続分や法定相続分とは異なった割合で財産を取得することができます。
  遺産分割協議の結果を書面化することは,法律上必要なわけではありません。しかし,遺産分割協議書は,遺産分割協議が有効に成立したことを証明して後日協議内容に疑義が生じることを防止し,また相続財産に不動産・自動車・船舶がある場合の移転登録・登記,金融資産等の名義変更,相続税の申告書の添付書類としても必要となります。

Q 遺産分割協議のためには,共同相続人の全員が集まる必要がありますか?

A 共同相続人全員が一堂に会して話し合う方法が最も実質的な協議の方法といえますが,相続人全員が集まって話し合うことが困難な場合(例.相続人の一部が遠隔地に居住する場合)は,電話や手紙などの手段を使って協議を進める方法や,文書を作成して持ち回る方法でも構いません。

Q 遺留分の権利を行使できるのは,誰ですか?

A この遺留分の権利を有することができる相続人(遺留分権者)は,下記のとおりです。

 

兄弟姉妹を除く法定相続人 (民法1028条) 

配偶者,子,直系尊属       

胎児(出生すれば,子としての遺留分を有する。同法886条)

子の代襲相続人

→ 被代襲者たる子と同じ遺留分(同法1044条・887条2項3項)

 

 また,これらの相続人の遺留分率(総体的遺留分)は,下記のとおりとなっています(同法1028条)。

 

      \ 相続人   配偶者直系卑属直系尊属  兄弟姉妹
単独相続の場合 1/2 1/2 1/3 な し
配偶者と共同相続の場合
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1/2 1/2 配偶者のみ1/2